契約書
何らかの「契約」をする場合には、契約書を作成し、契約当事者の双方が署名押印するのが通常です。しかし、「契約をすること」と「契約書を交わすこと」は全く別物です。契約書がなくても契約は成立し、その効力によって当事者双方を拘束します。実際、知り合いや友達とのお金の貸し借りで、わざわざ契約書を交わす人は多くないと思います。
しかし、契約書を交わすことは、その内容をお互いに確認し、その存在と内容を立証する為の証拠となります。
また、「契約書を作成する」行為は、お互いに契約の締結を慎重にさせ、不利な契約の締結を回避させる効果があります。
反面、「契約書が存在しない」ということは、今後、契約内容について紛争が生じたときに、その立証が困難になるということです。
もし、契約当事者の一方が死亡したり、所在不明になったとき、結んでいた契約の存在や内容を証明することは容易ではありません。
契約を書面にしておけば、そのような問題を回避する事ができるのです。
契約書を作成する5つポイント
- (1)契約の成立時期
- (2)契約者の確定
- (3)契約の趣旨・目的
- (4)契約の対象・目的の明確化
- (5)権利義務の明確
以上のポイントに気を付けて、書類を作成することです。
当事者同士で契約書を作成しようとすると、どちらが書類を作成するのかということでトラブルになったり、重要事項が抜け落ちていたときにどのように解釈するのかといったことでトラブルになるケースがありますので、ご注意ください。
契約書は「公正証書」にすることをお勧めします。
公正証書とは、公証役場にいる「公証人」と呼ばれる、国から任命を受けた法律の専門家(元裁判官や元検事の方が多い)が作る文書のことで、その書面は「国のお墨付きの文書」となります。つまり「証明力が高い文書」なのです。 また、公正証書の原本は、公証役場に厳重に保管されますので、偽造や変造をされるおそれはありませんし、日付けを変えることもできません。
それから、公正証書にしておいたほうが良い一番の理由として、「裁判所の判決と同じ執行力がある」ということがあります。
一般的に、金銭が回収できなければ、最終的には訴訟を起こして判決をもらい、これに基づいて債務者(義務を負っている方)の財産に対して差押さえや競売などの強制執行をし、債権回収を図ることとなります。ここまで至るには、時間や費用などの手間ひまが多くかかります。
しかし、公正証書の作成において「強制執行認諾条項」というものを付けておくことにより、債権者(権利がある方)は債務者が約束どおりに支払いを行わない場合、訴訟を経ることなく直ちに強制執行に踏み切ることができます。
この効力こそ、公正証書のもつ最大の効力といってよいでしょう。
ただし、契約書も公正証書も関係者全員の協力がないと作成できませんのでご注意ください。



